メイプルソープ写真集税関訴訟のページ

A selfportrait of Mapplethorpe
Robert Mapplethorpe: 1946~1989。あまりにも有名なこのセルフポートレートも裁判官にかかると「肛門性交を連想させる猥褻写真」となってしまう。

 2002年1月29日、東京地裁藤山雅行裁判長はメイプルソープ写真集の国内持ち込み禁止処分を違法とし、処分取消と70万円の損害賠償を命じる判決を下しました。この裁判はアップリンク社長の浅井さんが、自社で発行したメイプルソープ写真集(いわゆるランダムハウス版)をいったん国外に持ち出し、再度持ち込もうとして差し止められたことに対し、99年起こしたものです。原告代理人は私の時と同じく、山下弁護士が勤めました。

 2008年2月19日、最高裁判所第三小法廷(那須弘平裁判長)は浅井さんが起こしていた輸入禁止処分取り消し訴訟に対し、「写真集は芸術的観点で構成されており、全体としてみれば社会通念に照らして風俗を害さない」とわいせつ性を否定。請求を退けた二審・東京高裁判決を破棄し、輸入禁止処分を取り消しました。

 前回の裁判から9年、ついに山は動きました。

 1999年2月23日、最高裁判所はメイプルソープ写真集税関検閲違憲訴訟の上告を棄却しました。裁判としては原告敗訴となりましたが、判決では5人の裁判官のうち2人が反対意見、1人が補足意見を付けるなど、「わいせつ物」の輸入禁止処分をめぐる判決としては、過去にない画期的なものとなりました。

 今後、下級審では輸入禁止処分を不当とする判決が出ることも予想されますし、税関の対応も変わって来ることでしょう。

 6年に渡る裁判を支援していただいた皆様に、感謝いたします。


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協力者を求めます。特に法律関係の文書の英訳をしていただける方。


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