岡山大学新聞262号 1981年9月20日

大学当局 「新女子寮」強行着工の暴挙

全学から抗議の声を

 昨年の「5・28現男女子寮廃寮決議」「6・25新女子寮の概算要求決議」以来、男女子寮(自主管理・自主運営)への廃寮攻撃は織烈化してきている。大学当局は、今夏期休暇中に「新女子寮」の着工にはいると言明していたが、九月四日ついに、強行着工へと踏み切った。また、九月八日には、バリケード撤去の為、警官隊を導入し、機動隊までにも出動を要請したのである。これらの攻撃に対して、学生達は、バリケードを再三に渡って構築しなおし強行着工を阻止している。また、九月十一日には、全学集会が行なわれ、その日日の正后より、六人の学友が七十二時間のハンストを貫徹した。この間題は、単に寮だけにかけられている間題ではない。侵略に向けた大学の帝国主義的大学再編の一環であり、学内支配体制の強化を推し進めるものである。全学学生の力で、この計画に、抗議の声を上げていこう。

 九月四日、寮生を含む学生五十人が、「新女子寮」建設予定地(農学部梨園跡地)に強行看工阻止のため駆け付けた。午前十一時、当局側は、事務局及び各学部の教職員、二百名を動員した。学生らは青桐寮前の門を固めた。教職員は、その門を中心に取り囲み、暴力で学生を排除しようとしたが、学生らは当局に抗議して門を守った。その間に業者は、建設予定地に農場の方から入って、くい打ちを始めた。
 寮生は、業者に「我々と大学と交渉中なので、工事は待ってくれ。」と説明し、座り込みで、くい打ちを阻止した。これに対し、当局は、話し合いをするどころか、一方的な退去命令を発して、学生を排除しようとした。
 午後五時、業者、教職員は、学生が阻止したくい打ちの部分を残して、引き上げた。
 翌五日、建設予定地に学生は結集した。しかし、大学当局は、業者だけで工事をさせ、学生と対峠させるといった行為に出た。それに対し、学生三〇人は大学側と話し合いを求め、学長室へ行ったが、職員の妨害により会うことができなかった。
 翌五日、建設予定地に学生は結集した。しかし、大学当局は、業者だけで工事をさせ、学生と対峠させるという行為に出た。それに対し、学生三○人は大学側と話し合いを求め、学長室へ行ったが、職員の妨筈により会うことができなかった。そのため、学生は事務局前で集会を行ない、抗議の意志を表明した。
 六日、夜、阻止共闘は青桐寮前にバリケードを築き資材の搬入に備えた。
 八日、早斬、当局はバリケードを撤去した。これに対し、学生らは、早朝よりバリケードを再度作った。
 午後一時、教職員三百人と警官百名が現れ、学生を包囲した。大学当局は、再び、一方的な退去命令、バリケード解除命令を発し、バリケードを壊し始めた。職員は暴力で、バリケードを撤去した。学生らはスクラムを組んで、搬入阻止をしようとしたが、讐察権力からの警告がくり返えされた為、撤退を余儀無くされた。
 しかし、その後、学生は再び、青桐寮へ向かい、門の前で抗議集会を行い、建設予定地の中でジグザグデモを行なった。引き続き事務局へと向かいシュプレヒコールをあげて、学館前で抗議集会を行なった。

 十一日、午後一時より、学館前で、阻止共闘の提起による全学集会が行なわれた。
 この集会は、「新女子寮」強行着行に抗議を示し、全学に訴えていく為、行なわれた。
 集会では、阻止共闘、三里塚と日本原を結ぶ会、医学部有志、北津寮などからアピールがあった。また、阪大の宮山寮、鴻池寮の委員会の代表者が、駆け付けた。その後、学内デモが行なわれた。
 また、この日、午後から6名の学友が、学館前で、強工着工に反対して、七十二時問のハンガーストライキを行なった。

四条件付新女子寮建設
反動的大学再編の一貫

 四条件付新寮建設は、大学再編の要として文部省・岡大当局が一貫して追求してきたものであり、今回の四条件付新女子寮建設は、昨年五月評議会での現男女子寮廃寮決議・六月評議会での四条件付新女子寮概算要求決議によって具体化させていたものであった。
 この四条件付新寮というものは、「四条件付」であるということで、現男女子寮とは区別される寮である。
 具体的に「四条件」とは(1)寮生活の上での寮生の負担区分を強化する。(大学=国家の負担を軽くする)(2)全室個室(現寮は個室・二人部屋・三人部屋等がある)(3)寮生の交流の場である食堂をつけない。(4)入退寮権は学生部長がもつ(現寮では寮生の自治の上から寮生がもっている)というものである。
 ここから明らかなように、当局はこの四条件付新寮によって、寮内の学生の交流を押えつけ、寮生の団結をくずして寮生をバラバラに分断し、寮生の自治を取り上げ、学生に対する管理を強めようとしているのである。
 これは、この間当局が進めてきた、クラスつぶし・学内交通規制・五・一学長告示・新サークルBOX建設を利用した「サークルBOX使用心得」の押し付けといった学内管理支配の強化とまったく同じものである。当局は、あらゆる方法で学生・教職員に対する管理支配を強めているのである。
 同時に、当局は、この四条件付新寮によって、学生の負担区分の強化=当局(国家)の負担の軽減を行なおうとしている。これはいわゆる「行政改革」と同じものである。
 当局=国は、国家財政が赤字であることから、むだな支出(独占資本にとってであるが)を極力おさえ、その金を軍事費や・海外への国家「援助」費=海外侵略へつかっていこうとしているのである。
 当局は、貧困者は切りすてる一方で、そのあまった金を、「国策」へとつぎ込んでいるのである。
 以上見てきたように、今回の四条件付新女子寮建設計画は、この間当局が策動してきた大学の反動的再編とりわけ学内管理支配の強化の一環として行なわれるものであり、全学学生の力でこの計画に反対していかなければならないだろう。

寮闘争の動き

80年3月10日当局が寮に対し会計検査院の指摘を理由とし、これまでの国家の超過負担を支払うよう寮生に通告。

5月28日評議会で現男女子寮の廃寮を決定。

6月25日評議会で新女子寮建設の概算要求決議。

7月2日>学長団交を要求する学生に対し職員が暴行、機動隊に出動を要請。

7月7日当局はお知らせNo.87を出して廃寮攻撃を正当化 寮生=暴力集団キャンペーン。
81年3月新女子寮の青写真を提出。

7月女子寮の強行着工を示唆。

9月4日女子寮強行着工始まる。

8日反対する学生に対し機動隊出動。


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