北津寮に公安侵入

一寮生にスパイを強要

 去る5月17日(土)午前3時過ぎ川井と名乗る男が北津寮に侵入、北津寮生A君に対し卑劣にも「スパイ」を強要するという事件が起こった。川井は身分・職業を偽ってA君に接近したのであるが、その正体が公安警察である事を口にするや、北津寮の糾弾に合い逃亡をはかった。これに対し北津寮生は17日早朝より、北津寮生の主体的活動に敵対するものとして、抗議のデモンストレーションを全学的に展開し、また一方には、北津寮生への「スパイ」強要を容認していた大学当局に対し、大学の自治を侵害するものであるという点も踏まえ、公開質問状を突きつけるという行動をとっていきている。しかし今なお、公開質問状への大学当局の回答はない。

 また、後日明らかになったことであるが、川井は本名を西卓史といい、70年当時より一貫して「学生担当」の岡山県警西署公安刑事として、学生運動の弾圧・学生の思想チェックを職業としてきた男であることが明らかになっている。

 学生が自らの正当性に立脚し展開している運動に対し、無批判に職業として、これを弾圧する公安刑事の存在自体、学生にとって不当なものであるといわねばならないし、加えて公安刑事を許容する大学当局の姿勢は、大学の自治に対する不信感をつのらせるものであるといえる。昨年のBOX問題、そして現在の男女子寮への廃寮宣言と、大学当局は学生主体を見ることなく、学生の声を無視して大学運営を行ってきているばかりでなく、今回の「スパイ」強要事件においては学生主体の圧殺、学生の声の圧殺をはかってきているとさえいえる。

 なお、北津寮が公開質問状において、大学当局に回答を要求したのは次の三点である。