10/27 ボイジャーで電子書籍の話をうかがう

昨日は顧問先である印刷会社のYさんと神宮前にあるボイジャーを訪れ、ハイパーメディア研究会メンバーでもある簗さんに電子書籍の話をうかがってきた。簗さんは8月にアスキーからボイジャーに移られたばかりだが、事業部長として毎日のように印刷会社やIT企業の方との打ち合わせがあり、なかなか多忙そう。

ePub形式のファイルを作る件は、先日もこの日記に書いたのだが、実はボイジャーに行くまでXMDFとドットブックという二つのフォーマットが日本では電子書籍の主流となっていることを知らなかった。XMDFはシャープが、ドットブックはボイジャーが開発したフォーマットだ。

ベースはどちらもXMLフォーマット、つまりHTMLに近いテキストファイルで、それに専用のタグを打ち込んで最終的にバイナリ変換したもの。ePubも同じ系統と言える。ワールドワイドではiPhoneで採用されたePubやKindleで採用されたazwが主流なのだろうが、少なくともePubには縦書き、ルビ、縦中横、禁則といった日本の書籍に必須な機能がない。

XMDFやドットブックは、日本の会社が長年かけて開発してきただけに、これらの機能は当然備わっており、大手出版社にも採用されている。

ただ、XMDFは変換ソフトがかなり高額らしい。シャープや販売会社のサイトに金額が載っていないのだが、2005年の日経BPnetの記事『パソコン文書を電子ブックの「XMDF」に変換するソフト、シャープ』によると、当時で出版社向けライセンスが8万円、編集プロ向けライセンスが30万円からだという。個人や同人で手を出せる金額ではない。あれ、同人出版やっているところも1円資本金で会社にすれば出版社向けライセンスになるのか?

一方、ドットブックは変換ソフトが3万円とかなりリーズナブル。ソフトを買わずにボイジャーに原稿を持ち込んで変換してもらうという方法もとれる。ビュワーが無料版もある「T-Time」で、Windows/MacOS/PockePC/Palmに対応している。また、同社はドットブックの普及を目指して「理想書店」という、電子書籍専門のオンラインショップも運営している。ここにドットブックを持ち込めば、課金やメンテナンスまで一手に引き受けてくれるというわけだ。

ただ、XMDFもドットブックもフォーマットを非公開としており、フリーで変換するツールを作れないのが残念だ。

また、ePubを作って「レイアウトが反映されない」と違和感を持ったけれど、さまざまな画面サイズ・解像度の電子デバイスでちゃんと文書が読めるようにするには、レイアウトが決まっている方がおかしい。レイアウトをデザイナーの指示通りに再現したければPDFにすればいいのだ。ただ、B5サイズで作った紙面は携帯電話ではスクロールしなければ読むことができない。そのため、電子書籍はビジュアル中心の雑誌的なものより、文字中心の書籍に向いている。

昨夜の話としては、印刷会社はとりあえずXMDFとドットブックの制作に対応できるという準備をしておくのが間違いないだろうということに。ただ、しばらくは電子書籍を作って欲しいという仕事はないんじゃないか。実際に動き出すのは来年になりそうだ。エルデとしてはどうするか・・・ ドットブックはともかく、30万円だとするとXMDFはちょっと手が出しにくい。やるとしたら、Yさんの会社のお手伝いということで一緒にいじってみるか。

いくつかのITベンチャーがいろいろiPhone/iPad向けの電子書籍アプリケーションを売り出しており、うちにも営業に来たことがある。彼らは半年、1年という短期間で売り切って利益をあげてしまえばいいというスタンスではなかろうか。「書籍」が1年後の新機種ではアプリが対応していません、読めませんというのは困るのだ。

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