10/15 学生による授業アンケート結果から

ぼくは去年から神奈川大学経済学部で非常勤講師をやっている。今年7月に”2010年度前期「教育改革のための学生による授業アンケート」”という調査があり、先日その集計結果が送られてきた。

火曜日4限に行っている「情報経済論」は受講生が260名、そのうち91名がアンケートに回答している。無効が1名なので、有効回答は90名。全受講生の3分の1強が答えたというわけだ。

この授業を履修した理由は「興味・関心」が33%、「目標上必要」が28.6%と、積極的に選んだ学生が61.6%に達している。だが、「他にないから」も28.6%だ。

予習や復習は「全くしなかった」が78%と、ちょっと悲しい値が出ている。

そして授業の難易度については「適切」が50.5%だけど、「とても難しい」が9.9%、「やや難しい」が37.4%だった。47%がどちらかといえば「難しかった」ということになる。

授業内容の説明や話し方は明確であったかは「とてもそう思う」が15.4%、「ややそう思う」が36.3%、「どちらでもない」が26.4%。

学生が授業に積極的に参加できたかは「ややそう思う」が19.8%、「どちらでもない」が36.3%、「あまりそう思わない」が20.9%、「全くそう思わない」が14.3%。

満足できるかどうかは「ややそう思う」が24.2%、「どちらでもない」が40.7%、「あまりそう思わない」が19.8%だった。

数値からは、話し方はまぁまぁだったけれど、学生が授業に参加できる雰囲気ではなく、過半数が満足していないということになる。

自由記述欄では

・パワポ読んでいるだけ
・あまりに淡々と話し続けているだけ
・スクリーンが見にくかった

といったものが目に付いた。

経済学部で情報経済論というと情報の非対称性やモラルハザード、情報財などを扱うようだが、ぼくは経済学の専門家ではない。今さら物理学研究者でもないが、IT企業の現場にいる経営者として、基幹系から情報系まで、企業で情報がどのように扱われているかを主に話してきた。学術的な情報学より、社会に出て困らない常識や知識を獲得して欲しかったからだ。

ちなみにシラバスは

1. 情報とは何か:情報の歴史、メディアの進化、アナログからデジタルへ
2. 企業における情報:基幹系と情報系、情報システム部、CIO
3. 経営戦略と情報:意志決定支援システム
4. オフィス情報システム:文書処理、メール、グループウェア
5. 生産・製造と情報:CAD/CAM、シミュレーション、FA、CIM
6. マーケティング・広報活動と情報:ネット広告、市場調査、DM、IR
7. 商取引と情報:EDI、BtoB、BtoC
8. 内部統制:内部統制、IT統制、IT監査
9. 情報セキュリティ:暗号、PKI、認証、署名
10. 個人情報保護:個人情報保護法、プライバシー
11. 知的財産権:著作権、特許権、商標権
12. インターネット:インターネットとビジネス、Google、Amazon
13. オープンソース:オープンソースの意味、「フリー」とは、GNU

これで「難しかった」と言われてしまうと、どうしたものか。工学部ではないけれど、社会に出ればITを活用しなければならない大学生を相手にして、公民館のパソコン教室、インターネット教室レベルに落とすわけにはいかない。たしかに話す内容が多すぎてPowerPointのスライドを淡々と説明する結果になってしまったのは、まずかったかと反省。

何よりも初年度4人しか履修者がいなくて、毎回の出席者は一人か二人という超過疎教室だった。それが今年はいきなり260人というマンモス授業となって、授業の方法論が立てられなかった。去年のように学生が一人、二人で、しかも出席者が定まらない状況ではゼミをやるわけにもいかない。逆に260人を相手に、どのように参加意識を持たせて講義を進めるのか。

意見欄に、「シラバスにはレポートと書いてあったのに突然試験にされた」と満足度1点を付けた回答があった。講義内容が良かったのか悪かったのかよりも、レポートのつもりで受講したのに、試験にされたことがよっぽど不満だったのだろう。だが、260名のレポートを読んで採点するのは、無理というもの。この学生、試験で何点だったのだろう。

来年、また非常勤講師として雇っていただけるかどうかは分からないし、やったとして何人履修するかは蓋を開けるまでは分からない。まだまだ試行錯誤は続きそうだ。

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