9/4 府中平和祭り 前夜祭で林博史さんの講演を聴く

今日明日はぼくが住んでいる地元、府中市で平和祭りが開催される。市内のさまざまな潮流(共産党から北原派シンパまで)が一緒になって、反戦平和の祭りをやるというイベントだ。ぼくは実行委員会はさぼっているけれど、当日は設営係や撮影スタッフとして協力している。

今夜は前夜祭ということで、中央文化センターで沖縄問題の映画上映と林博史さんの講演が行われた。

映画はETV特集「女たちの地上戦 沖縄 埋もれた録音テープ 150時間の証言」。1968年ごろ、米軍統治下の琉球政府時代に、沖縄戦で逃げ惑った女性たちにインタビューしたテープを元にした作品だ。沖縄では1945年3月の地上戦開始にともなって、日本軍をはじめみんなが沖縄本島南方に逃げ、洞窟に身を潜めたわけだが、その中で子どもや老人をかかえた女性たちのが記録されていた。沖縄公文書館に保存されていた88本、150時間以上のオープンテープは多くがよれよれになって変形していたが、アイロンをかけるなど修復し、さらにデジタル処理で雑音の中から肉声がよみがえった。

生まれたばかりの赤ん坊が、へその緒から破傷風になってあっという間に息を引き取ってしまったり、食べ物もなくて乳も出ないまま、数ヶ月の赤ん坊が、だんだん泣き声も小さくなって消えて行ったり。あるいは野戦病院で看護婦として勤労奉仕をしていた女学生は、毎日おびただしい負傷兵の手当をして、最後にはモルヒネで安楽死させ・・・ せい惨な沖縄戦の実態が浮き彫りにされる。中でも圧巻だったのは、日本軍によって目の前で兄弟や子どもたちを斬り殺された女性の証言だ。

続いて関東学院大学教授で日本の戦争責任資料センター研究事務局長である林さんの講演。林さんは府中市在住。数日前にワシントンの公文書館調査から帰国したばかりというが、疲れも見せずにデータを駆使して在外米軍の状況などを語ってくれた。


冷戦終結後、世界中で米軍基地は減っており、たとえばドイツは1990年に22万7000人いたのが2009年には5万2000人に、韓国は4万1000人が2万4000人となっている。ところが日本は4万6000人が3万5000人になっただけで、減少率が低い。また、海外主要米軍基地の資産価値で見ると、嘉手納、三沢、横須賀、横田がトップ4位で12位が沖縄のキャンプフォスター。上位を在日米軍基地が占めている。

世界的に米軍が自由に使える基地は減っているし、地位協定などの見直しも進んでいる。植民地的な駐留が残っているのはグアム、プエルトリコ、キューバ、そして日本ぐらいではないだろうかという。

多くの国で、政権交代をきっかけとして米軍基地縮小や撤去、地位協定の見直しがなされた。そういう意味で去年の民主党政権誕生はまたとない機会だったのに、「政権が変わっても国同士の約束を反故にするわけにはいかない」などという変な理屈で辺野古基地移設は強行されようとしている。アメリカだって一応民主主義の国なのだから、政権交代があれば民意を聞かざるを得ないだろう。

また、米軍の戦略も大きく変わってきているという。冷戦時代はソ連と中国を包囲し、封じ込めるように周辺反共国に基地をばらまいた。だが、冷戦から対テロ戦争の時代となり、最前線そのものが消えてしまった。敵はさまざまな地域に分散した柔らかなネットワークだ。今なお唯一の超大国とはいえども疲弊した国力、反米感情の勃興などを無視して広大な在外基地を維持するメリットはあまりない。

フィリピンなど、米軍基地を完全に撤廃してしまった。だが、両国の防衛協定は依然として残っており、軍事的には同盟国である。

また、北朝鮮が日本を侵略するなど荒唐無稽であり、韓国戦ですら非現実的であるという。その証拠として米軍は北朝鮮国境に近い地域からほとんど撤退してしまった。中国との関係も、つばぜり合いはあるにしても米中日韓の目指す方向は大まかに一致しており、戦争の危険性はほとんどないという。

ただ、対米独立志向としての安保破棄はきわめて危険だという。アジアの諸国から孤立した、今のような変なプライドというのか被害者意識で自衛指向を振りかざすと独自核軍備など、日本がアジアの非安定要素になりかねない。これはアメリカにとっても中国にとっても韓国にとっても歓迎できない事態だろう。

さて、明日は平和祭り本番。府中公園でバザーやライブ、フリーマーケットと楽しい催しが繰り広げられる。8時から駆けつけて、設営がんばるぞ。

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