2010年 上半期に読んだ本

やっぱりTwitter関係やクラウド関係の本が多いな

『ツイッターノミクス』タラ・ハント著 村井章子訳 文藝春秋社
 Twitterとはほとんど関係ない。SNSやブログなど、ソーシャルネットワークを通じてウッフィー(評価値)を獲得することが、ビジネスや生活にとって大事だという。

『ヤフー・トピックスの作り方』奥村倫弘著 光文社新書
 ヤフーに取材に行ったときにいただいた。ヤフーのトップページに表示される13文字×8本のニュースを編集する人たちの物語。古きジャーナリズムと新しいITのせめぎ合いの場でもある。

『クラウド化する世界』ニコラス・G・カー著 村上彩訳 翔泳社
 20世紀初頭における電力網の発展・産業化と比較しつつ、現代のインフラであるインターネット発展を説く。GoogleやAmazonなど、巨大IT産業による検閲や支配について警鐘を鳴らしている。

『情報経済論』福田豊・須藤修・早見均著 有斐閣アルマ
 一応、大学で「情報経済学」という講座を持っているので、参考として。

『達人に学ぶ 知的生産の技術』知的生産の技術研究会編著 NTT出版
 茂木健一郎氏や勝間和代氏、佐々木俊尚氏など、現在活躍中のライター・評論家・知識人への「知的生産」に関するインタビュー。ただ、1人あたりの文が短く、あまり突っ込んでない。

『仕事するのにオフィスはいらない』佐々木俊尚著 光文社新書
 EvernoteやGmailなど、クラウドとノートPC、スマートフォンを駆使して、どこでもオフィスを実践している佐々木氏のノウハウがつまっている。自営業に近い自分としては、いかにやる気を維持するかという「アテンション・コントロール」に興味を引かれた。1年前の本なのだが、すでに取り上げられてるノマド型企業のいくつかが解散していたり、吸収合併されているところにこの世界の恐るべき速度を感じてしまう。

『ブログ論壇の誕生』佐々木俊尚著 文春新書
 上の本よりさらに古い08年9月発行。取り上げられている毎日新聞低俗記事事件とか、志井和夫の国会質問とか、大昔の事件のような感じがする。さて、本当にブログやネットは実社会に影響力を及ぼしうる言論空間となっているのだろうか。

『ネットの炎上力』蜷川真夫著 文春新書
 著者は朝日新聞の社会部記者、AERA編集長を経てネットニュースメディア「J-CASTニュース」を立ち上げたジャーナリスト。J-CASTはあちこちの新聞やブログの抜き書きばかりで、あまり価値があるとは思えないのだが・・・

『大人げない大人になれ!』成毛眞著 ダイヤモンド社
 マイクロソフト元社長成毛氏が、楽しい人生を過ごそうよ、と説く。ビル・ゲイツのエピソードはいろいろ出てくるのだが、古川さんがぜんぜん登場しないのが気になった。

『Twitter使いこなし術』根岸智幸著 アスキー新書
 アスキー時代にお世話になった根岸さんの本。Twitterを使う上で欠かせないさまざまなツール類についての紹介がとても詳しい。

『Twitter革命』神田俊晶著 ソフトバンク新書
 KNN神田さんがtwitterという新しいツールがもたらす社会変革、メディア変革の可能性などについて述べている。

『Twitter社会論』津田大介著 洋泉社y新書
 「tsudaる」という新語を生みだした、津田さんのジャーナリストとしてのTwitter評論・入門書。ちょっと大げさな感じもする。

『クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの』西田宗千佳著 朝日新書
 09年1月初版ということなので、執筆は08年後半だろう。すでにかなり古くさく感じてしまうというのが、この業界の恐ろしさだ。クラウドと言いながら、エンタープライズ用途について触れてないのも不十分。

『今さら聞けないクラウドの常識・非常識』城田真琴著 洋泉社y新書
 クラウドコンピューティングについて、個人向けからエンタープライズまで網羅しており、1冊だけ読むのならば本書の方がお勧め。

『新書がベスト』小飼弾著 ベスト新書
 あまり本を読まない人は、まず書店に行って300冊ぐらい新書をまとめ買いせよという。ハードカバーでダメ本にあたると目もあてられないけど、新書なら安いから安心できるんだそうだ。確かに新書はハードカバーより安けれど1冊700~1000円。一般向けハードカバーは1500円から2000円ぐらいだから、価格的には半分ぐらいにしかならない。新書はダメ本多いし・・・

『大学論 いかに教え、いかに学ぶか』大塚英志著 講談社現代新書
 著者は漫画原作者・評論家にして神戸芸術工科大学先端芸術学部メディア表現学科教授。漫画を大学で教えるという、まったく新しい試みを学生たちと試行錯誤しながら積み上げている。あるときは寒風に吹きさらされながら映画を作り、ある時は徹夜を続けて漫画作品を仕上げる。大学で教えるものとして、大いに感銘を受けた。

『「情報創造」の技術』三浦展著 光文社新書
 パソコン、インターネットに依存して情報を集めるだけではダメ、自分で考えて情報を生みださなければいけないという。「下流社会」「ファスト風土」などのキーワードを作ってきただけに、説得力がある。

『グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業』夏野剛著 幻冬舎新書
 夏野氏はNTT DoCoMoでiモードを立ち上げ、現在はドワンゴでニコニコ動画などを手がけている辣腕プロデューサー。だが、この本はがっかりだ。だいたい本文中にグーグルもアマゾンもほとんど出てこない。インターネットビジネスのことをちょっと知りたい大企業のおじさん向けなのだろうか。

『ウェブはバカと暇人のもの』中川淳一郎著 光文社新書
 著者はアメーバニュースの編集長らしい。ニュースサイトの運営をやってきて、インターネットの世界は決してバラ色でもないし、知的エリート集団でもないという。マジョリティは暇をもてあましたバカたちの集団なのだ。中川氏の態度はとっても情けないけれど、ネットには未来があるなんてもてはやしている評論家よりはよっぽどマシ。

『教科書になかった登山術』山岸尚将著 東京新聞
 アルパイン、アイスクライミング、フリークライミングと大活躍中の山岸さんによる、ちょっと危ないクライミング実践テクニック。教科書には書かれていない、あるいはやっちゃいけないというような、だけど現場ではとても役に立つ技術やノウハウがいっぱい載っている。これを読んで、ナッツを買おうかと思っているのだけど、セットに手間取って落っこちそうだ。

『創るセンス 工作の思考』森博嗣著 集英社新書
 小説家の森氏だが、元々は名古屋大学建築学科の助教授という理系の人。子どもの頃からの、無線機作りやラジコン飛行機作り、真空管アンプ作り、そしてついには土地を買って人間が乗れる小型蒸気機関車まで走らせてしまう。モノ作り、工作の楽しみや思想についてのエッセイ。

『構造と力』浅田彰 勁草書房
 浅田氏は同世代。ぼくが大学院生の頃に本書が大ヒットし、買ったものの数ページで挫折した。20数年ぶりに本棚から引っ張り出して読んでみた。今回は一応最後まで読み通すことができた。最初、理解できなかったのは、前提も説明もなく登場する構造主義・ポスト構造主義といったフランス現代思想のキーワードをまったく知らなかったから当然のこと。年とって、基礎知識ぐらいは身についたということだろうか。

『寝ながら学べる構造主義』内田樹著 文春新書
 『構造と力』を読んで、構造主義に対する知識のなさを実感し、もっと優しそうな入門書として読んでみた。マルクス、ニーチェ、ソシュールからフーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンといった構造主義の巨頭まで、分かりやすく解説している。

『日本辺境論』内田樹著 新潮新書
 上の『寝ながら学べる構造主義』の著者とは気づかず、書店で気になって買ってきた。こちらは日本人論で、ベストセラーになったらしい。日本は常に大国に対する辺境国として生きてきたのだという。

『石のはなし』白水晴雄著 技報堂出版
 クライミングというのは岩壁を登るわけで、石灰岩だとか花崗岩だとか、岩質によって傾斜やホールドの大小というのはだいたい決まってくる。なんで石灰岩は前傾するのか、といったことまでは触れてないけれど、代表的な岩の種類と性質について地質学者が分かりやすく解説している。

『すすんでダマされる人たち』 ダミアン・トンプソン著 矢沢聖子訳  日経BP社
 9.11陰謀論とか、反進化論とか、ホメオパシーとかいった反科学、反知識について批判をしている。ただ、東洋医学をニセ科学と決めつけるのは行き過ぎではないだろうか。

『世界共和国へ』柄谷行人著 岩波新書
 マルクス主義でもない、グローバル資本主義でもない、世界共同体を作ろうという。理想はいいのだけど、理想主義に終わっているところも。

『目立つ力』勝間 和代著 小学館101新書
 今や超目立ち人である勝間氏が、ブログで自分をPRしましょうと。だけど、いくらブログ書いても、目立たないブログには人が来ないんだけど(笑

『学問の春 “知と遊び”の10講義』山口昌男著 平凡社新書
 札幌大学での人気講義”「ホモルーデンス」を読む”をまとめたもの。あっちに飛び、こっちに飛びながら比較人類学とは何か、遊びとは何か、そして学問とは何かを教えてくれる。

『ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質』ナシーム・ニコラス・タレブ著 望月衛訳 ダイヤモンド社
 デリバティブ・トレーダーで金融工学の研究者である著者が、予想もしなかった事象が発生する不確実性について、分かりやすく解説している。上下で600ページを越える大著だが、のめり込んで一気に読むことができた。

『ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング』三輪裕範著 創元社ビジネス
 最近は1か月に50冊読むとか、100冊読むといった速読法がもてはやされているが、本書では速読より精読が大事だという。誰もが速読できるわけじゃないし、精読でいいんじゃないかな。

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