『TWitter革命』神田 敏晶

ソフトバンククリエイティブ
2009年11月18日初版
定価:730円+税
20091208-Twitter革命.jpg
ビデオジャーナリストというか、マイミクの神田さん(@knnkanda)さんの新著。
ぼくも秋ぐらいからTwitterのアカウント(@masaru0228)をとって、TLを眺めてはいたものの、自分からつぶやく勇気がなく、傍観者の立場だった。「RTって何?」「ハッシュタグって何?」と知らない言葉が飛び交っている。何か入門書がないかと考えていたら、ちょうど神田さんが本書を上梓されたという「つぶやき」を目にした。


この秋から年末にかけて、IT系出版業界ではTwitter本が大流行しており、類書が10冊以上出ている。その中で最初の1冊を買うのなら、著者を知っている神田さんのにしたというのが選択理由なのだが、読んでみてわかりやすくおもしろいし、評価も高い。
神田さんと初めて出会ったのは96年ごろ。ハイパーメディア研究会の例会に「阪神大震災でメディアは何ができたのか」というテーマで神田さんを招き、阪神大震災のまっただ中で被災し、情報発信を行おうとした生々しい体験をうかがった。神戸でフリーランスライターをしていた神田さんは本書でも当時の体験を

「震災の今を伝えるために、神戸の外からテレビ局や新聞社が大挙してやってきた。ただし、彼らが向いていたのは震災の外の世界であって、被災しているボクたちの方ではなかった」
「もちろん、マスコミが伝える情報の中に本当のことがまったくないと言っているのではないが、彼らが伝えることだけが真実というわけでもない。ビューポイントの数だけ真実はある。その一つひとつの事実を俯瞰できれば、プロのジャーナリズムという大儀をかさに着た報道だけに依拠するより、真実が見えてくるのではないか」

と書いている。プロのジャーナリストに対立しようというのではなく、自前のメディアで政治からビジネス、そしてITまで情報を発信していこうとするのがジャーナリストとしての神田さんの基本なのだと思う。高価な機材や高度な技術、大がかりな組織に頼るのではなく、一人でパソコンや家庭用カムコーダーを駆使し、手軽にニュースを送り出している。パソコンの前に座って好き勝手なことを書き散らしているネットイナゴではなく、あくまでもフットワークは軽く、会いたい人には突撃で会うというジャーナリスト精神は健在だ。
そんな彼がWebやブログ、YouTube、SNSといった新しいメディアをどん欲に取り入れてきたのは当然のことだろう。
神田さんがTwitterの世界に完全に引き込まれたのは、サンフランシスコ市の苦情受付窓口がTwitterのアカウントを持ち、市内で発生した火事の情報がリアルタイムでやりとりされるのを目のあたりにして、「偶然にして驚愕の体験だ」「ツイッターの可能性がとてつもないものに見えた瞬間でもあった」と。
本書は、こうしたメディアとしてTwitterが持っている革命性、タイムラインやRTといったTwitterの機能的特徴、API開放によるカスタマイズ、ビジネス・企業での使い方、政治家たちの活用などをわかりやすく解説している。
また、各左ページの下にはツイート(つぶやき)のごとく、140文字でサービス、ツール、トリビアなどの吹き出しが付けられており、これを読むだけでも非常に役に立つ。
神田さんは、『インターネットの可能性を理解するのに一番大切なのは、「まず、純粋にユーザーになってみる」ということである。ツイッターで何ができるかを考える前にまず「ユーザーとしての感覚」を自分自身が持つこと』だと主張する。ブログともSNSともメールとも異なる、独自の世界であるTwitter。まずは自分がアカウントを作り、先輩たちの投稿を眺め、おずおずとつぶやいてみる。そこからしかTwitterの世界には入れない。

「ツイッターを楽しむということは、つまり人間の行動そのものを楽しむことだ。そこには個人も企業も関係ない。すべてに人格がある世界だ。機械と対話したがる人はいない。いや、よくできたボットは人間以上に人間らしいふるまいを見せる。企業の看板とか世間体を気にして、ボット以下の対応しかできない人間になってはいけない」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください