『ザ・サーチ グーグルが世界を変えた』

今月12日に読み始めたのだが、やっと読み終えることができた。400ページを越える大作であり、話題が多岐に及んでいるので全部を読み通し、理解するのはけっこうつらいが、インターネット業界やメディア業界に関係している人はぜひ読んでおいたほうがいい。
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ジョン・バッテル著 中谷和男訳 日経BP企画 定価1,800円+税

今や最大の検索サイトであり、急成長を続けているGoogle。そのスタートから企業化、上場、そして新しい経済領域とメディアへと変貌を遂げる様を描いている。著者はWired誌共同創設者であるジョン・バッテル。
Googleの検索エンジンはスタンフォード大学の大学院生だったラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの「あるサイトの価値は、どれだけ価値のあるサイトからリンクされているかによって決まる」という理論に基づいて開発された。
それまで、Webサイトの価値はアクセス数によってしか評価できなかった。だが、サイトに無料のゲームを置いたり、プレゼントコーナーを設ければアクセス数をあげることは可能だ。そうではなく、本当に求めている情報が載っているサイトはどうすれば見つかるのか。
最終的には全世界のWebサイトにアクセスし、リンク先を訪ね、ランキング付けをするという無謀なプロジェクトは96年6月、スタンフォード大学の学生用サーバ上で稼働を始めた。
「使える」リストを公開したこの検索エンジンは評判を集め、殺到するアクセスで学内ネットワークがたびたびダウンするほどだったという。入学時点から起業家を目指していたペイジとブリンはアンディ・ベクトルシャイムからの投資を受けて98年、Google株式会社を設立する。
アクセス数の伸びとは裏腹に当初はビジネスモデルを見つけられず、銀行残高は減るばかりだったが、検索キーワードと連動してテキスト広告を表示する「アドワーズ」の導入によって会社は急成長を開始した。
もっとも、Googleは成長することによって敵も作った。ペイジとブリンの独裁支配、閉鎖的雰囲気、独善。ポール・フォードは「おれさまはグーグルボットだぞ。地球を制圧した」と宣言する検索ロボットを描いた。
実際、2003年にGoogleがSPAM対策のためとして検索アルゴリズムに手を加えた時、多くのオンラインショップサイトがGoogleのトップページから消え去った。2002年のクリスマスにはGoogleのおかげで繁盛したオンライン靴屋は、2003年の暮れはどん底の状態にたたき込まれた。苦境を脱するために靴屋の主人はGoogleにアドワーズ広告を打たなければならなかった。もしかしたら、検索アルゴリズムの修正はSPAM対策ではなく、アドワーズ出稿を余儀なくさせるためだったのではないだろうかという疑問を抱きつつ。
2006年現在、全世界でGoogleの従業員は3000人を越えるという。その対象はWebサイトから個人のデスクトップ、画像、音楽など、デジタル化されインデックス化できるすべてのモノへと向かっている。彼らはいつでも超巨大なオンラインショッピングサイトを始めることができるし、どんな放送局よりも視聴者を持つメディアにもなれる。
また、誰がどんなキーワードで検索したかの履歴をFBIが狙っている。中国では政府の圧力を受け、禁止されたサイトの存在すら表示しないようにシステムを改造した。社訓である「邪悪にならない」も時と場合によっては怪しくなってしまう。
著者は最後にこうしめくくっている。
 「かつて先人たちが石に物語を刻んだように、現代のわたしたちは、グーグルなどのインデックスに、永遠に生き続けるのではないか。
 検索ボックスに自分の名前を打ち込み、不安げにその結果を持ったことのあるあなたへ。わたしは、イエスと答えよう。」

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