10/16 セミナー『地域活性化フォーラム「林業が産み出す 地域の力」』

東銀座の時事通信ホールで『地域活性化フォーラム「林業が産み出す地域の力」』というセミナーがあったので聞いてきた。主催:国土緑化推進機構 共催:毎日新聞社 後援:林野庁

基調講演は三井住友トラスト基礎研究所主席研究員の伊藤洋一氏による「地方経済活性化と木のチカラ」

1600年から1700年、戦国時代が終わって江戸時代初期に人口が倍ぐらいに増加した。何もしなくても商品が売れる。その後、江戸時代は人口3000万人ぐらいでずっと停滞する。工夫しないと商売が成り立たないので、いろいろアイデアを絞る。各地の名産品はこの時代に誕生したものが多い。
日本ほどお祭りが頻繁に行われる国は少ない。NHKの日曜昼のニュース見ていると、日本は祭だけの国かと思われる。
中国や韓国、儒教の国では日本のような祭はない。為政者が人が大勢集まることを恐れた。江戸時代、日本では庶民が反乱を起こす危険性がほとんどなかった。
この時代、停滞期なので商人は知恵を絞った。御用聞きと出前はその一つ。店を構えて、やってくる客だけを相手にしていたのでは儲からないので、商人が積極的に顧客対応した。

先進国でこんなに緑が多い国もない。ほとんどが砂漠やはげ山。日本人も知らない。ストーリーを作って売ろう。日本にやってくる外国人観光客、彼らは日本から発信した情報ではなく、彼ら自身の口コミやSNSなどで観光情報を調べている。

江戸時代、将棋のコマはほとんど浅草で作られていた。江戸末期、財政難に悩まされていた天童藩の吉田大八は豊富な木材を使って将棋のコマを作ることを発案。現在では国内の9割近くが天童で作られている。

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後半はパネルディスカッション
三重県吉田本家山林部代表 吉田正木氏
高知県シマントモリモリ団副団長 秋山梢氏
愛媛県菊池林業代表 菊池俊一郎氏
茨城県森と地域の調和を考える会代表 龍崎眞一氏
司会 毎日新聞社水と緑の地球環境本部長 斗ヶ沢秀俊氏

吉田氏:吉田本家山林部は元禄15(1702)年創業。三重県に1256haの山を所有している。戦争中に古い木はほとんど伐採してしまった。農地改革で農地を手放し、林業に専念する。慶應義塾大学時代に家業を引き継ぐ。木と森と人々の暮らしを学ぶLEAF(learning about forests)の活動に参加し、木材を生産する世界の森林と、その森林から切り出された木材の流通や加工のプロセスを認証する国際機関FSCの認証を得ている。薪ストーブ、ヒノキカホン、ヒノキギター、ヒノキウクレレなどの製造販売を手がける株式会社ひのき家を設立。映画「Wood Job!」の撮影にも協力した。

秋山氏:東京出身、東京農大を出て四万十市へ。林業をやりたい10人ぐらいが集まったシマントモリモリ団のメンバー。自分のヤマは自分で切る。軽トラ、チェーンソー、ユンボ、林内作業車など機械を使えば女性でも林業作業できる。まずは道を作り、車で乗り付けて作業する。未利用材は温泉の薪ストーブ用として販売。1mに玉切りして軽トラで納品。1立方メートル7000円で、月に6立方メートルぐらい売る。温泉は燃料代が半額になった。夏はカヌーなど観光、冬は林業で食っている。

菊池氏:愛媛県の海沿い、西予市で農業林業兼業。30haほどの山林を所有している。西宇和ミカンと関サバ関アジが有名で、山林のすぐ隣までミカン畑。人材育成に力を入れており、今は幼稚園児から林業体験をしてもらう。最初、木を切ることは悪いことだと思っていた子どもが、間伐して手入れしなければならないことを理解するようになった。

龍崎氏:常陸大宮市美和地区、1960年代に8000人いた住民が3700人、商店が130店舗から60店舗に減少した過疎地。豊かな自然、里山が資本。木の駅プロジェクト、地域通貨であるモリ券・青モリ券を発行し、地元に470万円の経済貢献した。放置されていた庭園の整備、山城の整備、地域お宝マップ作成、小中学生紙すき体験、間伐体験など。

吉田氏:木材の価値は単純に10分の1、労賃の上昇を考えると60分の1に下落した。市場価格は横ばいだが、集成材など加工品が増えているので、材料としての材はもっと値下げを余儀なくされている。木材バイオマス発電が普及すると薪ストーブの燃料が手に入りにくくなる。なんとか経営しているが、植林再生の費用がまかなえない。

秋山氏:四万十の橋本先生夫妻を見て移住を決めた。奥様は割烹着にヘルメットで林業をやっており、女性でもできるんだと。一人で移住して働いている女性が多い、若い男性はどこにいるのでしょう。自分はうまく山を紹介してもらえたけど、つてのない人はどうやって山を手に入れるか。行政のサポートが欲しい。

菊池氏:山主さんが、畑や漁には行くけれど山には行かず、放置している。自分の山は自分できちんと整備しないとダメだ。

龍崎氏:何もしなければ、このマチは間違いなく衰退する。一歩前に踏み出す。何ができるのか、急いで成果を出さなければならない。

菊池氏:自伐林家。ちゃんと手入れして安全な林にしておかなければ子どもたちも呼べない。

秋山氏:林業しかない。仕事はいくらでもある。

吉田氏:仕事はある、やりたい人も増えている。だけど雇うだけの利益が出ない。木が売れて人を雇えるようにしないといけない。材の価格は2012年に暴落し、13年に少し戻った。補助金に頼ってはいけない。制度がコロコロ変わるので安定して人を雇ったり植林できない。都市部の人は家を建てる時に国産材、地元材を使うようにして欲しい。そこで林業の雇用が生まれる。建築基準法は原則木造家屋を建てさせない方針だったが、大転換したのはいいこと。

秋山氏:山に行かないと何も始まらない。筋肉モリモリの男性でなくても林業はできる。小さいときから林業を知る機会が必要。

菊池氏:首都圏までは行けないけれど、松山市までは出向いてPRしている。木に触ってもらわないと。家を建てる時に木造にするのかどうか、地産地消か輸入材か。木工教室などで生徒にPRしている。

吉田氏:1996年から埼玉の木工教室と協力し、山に来てもらっている。あるいは国産材で作った机や本棚などを学校などに寄付する団体と協力している。ヒノキカホン、ヒノキギターが大阪の楽器店に常置されるようになった。
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自分としては、規模はまるで違うけれど経営者として吉田氏の話に興味を持った。
若者を巻き込むと言う点では秋山氏が面白い。みんなの森の活動に役立てられるといいな。

「10/16 セミナー『地域活性化フォーラム「林業が産み出す 地域の力」』」への1件のフィードバック

  1. 参考「地方創生の処方箋」を送信させていただきたく思います。
    つきましては、「案内希望」と記して2M以上の空メールを送信願います。
    都市計画家 野沢 俊哉 53

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