05/29 情報経済論小テスト 合格ラインに届かず

神奈川大学経済学部で情報経済論を教えて4年目。大人数となった2010年、2011年とも期末試験1発で評価を付けてきたが、平均点が40点台とあまりふるわない。そのままだと半数が不可になってしまうので、60点以下は1.5倍にするとかいう処理でかさ上げをやってきたが、根本的に教え方や試験方法を改善しないといけないようだ。

その一つとして、300名を越えた今年は小テストを2回ぐらい行い、1回の試験での配点を分散することとした。その第1回目が29日だった。

問題の印刷は事務に頼んでおけばやってもらえるし、マークシートの解答用紙は講師控え室に大量にストックされている。ただ、定期試験と違って大学院生の助手がつかないから、自分で問題と解答用紙を配り、回収しなければならない。これが面倒だ。

試験は5問の択一式で15分間。配布・回収を含めると25分ぐらいかかっただろうか。

271名が受験して15点満点が1人いたものの、0点が10人・・・ 平均点は6.37点だったので、100点満点に換算すると42.5点。結局、半数以上が「不可」領域にいることに変わりはなかった。

情報経済論と言っても、それほど難しい学術的な話はやっていない。毎回出題するグーテンベルグの影響とか、エンドユーザーコンピューティングの意味とか。常識問題に近いと思うのだけど、なぜか解けない。

たとえば

問い1 グーテンベルグが活版印刷を発明したことにより、当時のヨーロッパに与えた影響のうち、正しいものをひとつ選びなさい

a) ダンテの『神曲』やボッカチョの『デカメロン』などベストセラー作品が生まれ、ルネッサンスの到来をもたらした。
b) キリスト教の聖地であるエルサレルムがイスラム教徒に占領されていることが広く話題となり、聖地を奪還しようとする十字軍が派兵された。
c) 従来のラテン語で書かれた聖書に代わり、庶民が読めるドイツ語で書かれた聖書が出版され、教会の腐敗が暴かれて宗教改革につながった。
d) マルコ・ポーロの『東方見聞録』の出版により、中国や日本への関心が強まり、大航海時代の到来を招いた。
e) 聖書が大量に印刷されたことでキリスト教神学が確立し、それに背く反対意見を「異端」として取り締まる異端審問が猛威をふるった。

なんて、世界史の常識ではないだろうか。

年代を追ってみると

1096 第1回十字軍
12世紀 中世の異端審問
1271 第9回十字軍(最後)
14世紀 イタリアでルネサンス始まる
1300ごろ マルコポーロ『東方見聞録』
1304ごろ ダンテ『神曲』
1350ごろ ボッカチョ『デカメロン』
1446 グーテンベルグ 活版印刷を発明
1452~1519 レオナルド・ダ・ヴィンチ
16世紀 ルターの宗教改革
1564~1642 ガリレオ・ガリレイ

となる。

別に年号を詳細に記憶する必要はないけれど、十字軍や異端審問、東方見聞録、神曲などはグーテンベルグ以前ということが分かっていれば良い。講義でもちゃんと話しているがダ・ヴィンチは歯車式計算機を考案したものの、実際に組み立ててはいない。というわけで正解はcの宗教改革だ。

非常勤講師の懇親会で専任の先生にぼやいたら、「うちの学生、世界史きわめて弱いですからね」と。特に中世は頭に入ってないようで「暗黒の中世」か。講義のやり方も、もっと工夫しないといけないな。

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