◎粟ヶ岳山行報告(byコアラ)

ちなみにGW中は、新潟に帰省しておりましたが、
5月5日に粟ヶ岳の山開きにあわせて登ってきました。

粟ヶ岳は標高1292.7m。
新潟県の川内山地の最高峰で、三百名山に選ばれています。
妻の実家の見附や長岡から、非常に綺麗な山容が眺められます。
いつかは登りたいと思っていた山ですが、GWに帰省したので登ってきました。

新潟の中越・下越地方には、越後駒ヶ岳、巻機山、苗場山など
有名な百名山があり、それはそれで素晴らしい山々ですが、
百名山以外でも良い山がいっぱいあります。
例えば、越後三山である中ノ岳(二百名山)、八海山(二百名山)、
その奥には先日の雪渓の崩落事故で有名になった荒沢岳(二百名山)、
只見線沿いには守門岳(二百名山)、浅草岳(三百名山)、
磐越線沿いには御神楽岳(二百名山)、
川内山地の最高峰である粟ヶ岳(三百名山)、
飯豊山塊の前衛峰である二王子岳(二百名山)、
五頭山や菱ヶ岳などがある五頭山地、
飯豊山塊の北の端のエブリ差山(二百名山)、
日本一小さい山脈の櫛形山脈など。

いずれも雪の深い山であり、GW中に登れそうなのは、
二王子岳、粟ヶ岳、五頭山地、櫛形山脈くらい。
五頭山地は水原から、二王子山は新発田から、櫛形山脈は中条からと、
羽越本線の駅から登るので、見附からだとちょっと遠い。
粟ヶ岳に登るルートは、加茂市宮寄上の水源地からと、
下田(しただ)村五百川からとがあり、どちらもGW中に山開きがある。
加茂市側が4月29日のみどりの日。下田村側が5月5日の子供の日。
ちょうど5月に見附に帰っていて、下田村の方が見附からは便がよいので、
(車で30分くらいの距離)
山開きの日に下田村五百川コースでピストンしました。

地図を見てみたら、下田村の登山口の標高が約100mで、
標高差1200mの日帰りピストンになり、結構きつかったです。
天候は今一でしたが、残雪の山を満喫してきました。
多少飯豊山塊とかを見ることが出来ましたが、本当に良い山でした。

●日時:2004年5月5日(水)
●山行者:コアラ単独(下田村の山開きに参加)

●山開きの様子
山開きは、五百川の木津商店前で午前7時半から。
見附の妻の実家を午前6時頃出て、途中コンビニで朝食昼食を調達。
下田村の五百川には7時くらいには到着した。
途中の国道289号線からは、粟ヶ岳の雄姿を眺めることが出来た。
時間があるので、木津商店前まで車で入ってみるが、
店の前にテントが張ってあって、パトカーが一台止まっており、
狭い道で他に車を止めるスペースが無いので、
500mほど下の日帰り温泉施設「いい湯らてい」の駐車場に車を止め、
身支度をして、7時半までに木津商店前に行く。
木津商店は田舎のよろづやといった感じの店で、当然この時間には開いていない。
結構人が集まっていたが、こどもの日だから子供が多いかと思っていたら、
大半が中高年の方で、自分が一番若い部類であった。
参加人数は、百人を越えるくらいであろうか。
多くの参加者は車で乗り付けて、パトカーが止まっているというのに、
結構この狭い道に路駐している。下から歩いてきた自分は損した気分。
参加申し込みをすると、「手ぬぐい」と「登山概略図」と「粟薬師の御札」と
「苗木」と「いい湯らていの割引券」をくれた。

最初に下田村の観光協会長が、続いて地域山岳会の会長が挨拶。
その後、宮司さんが粟ヶ岳に向かって祈祷を開始して、我々も拝んだ。
ちょっと小雨がぱらつくような曇天であったが、
粟ヶ岳には雲がかかっておらず、残雪を残した美しい山容を見せてくれている。
祈祷後、各自が宮司さんからお祓いを受け、
御神酒を飲んで、五月雨的に山登りを開始した。

●コースタイム
木津商店前7:55−駐車場8:05−1合目駐車場8:15〜20
−2合目8:35−3合目8:55−4合目(悪石跡)9:10
−5合目(薬師奥の院)9:30〜40−6合目(水場)9:55
−7合目10:20−8合目(牛の背)10:45〜50
−9合目(昼食)11:10〜15−粟ヶ岳山頂11:30〜12:00
−9合目12:10−8合目12:25−7合目12:45
−6合目13:10〜15−5合目(薬師奥の院)13:30〜40
−4合目13:55−3合目14:10−2合目14:20
−1合目駐車場14:35〜40−駐車場14:50−いい湯らてい15:10

出発時点でまごついていたら、何時の間にみんな出発しており、最後に。
まごついた原因は、もらった苗木をどうするかであった。
近くに車を止めている人は、車に入れていたが、
自分は「いい湯らてい」まで戻るのは面倒である。
リュックに入れようとしたが、土がこぼれて中を汚しそうである。
仕方がないので、リュックにぶら下げることにした。
そうこうしているうちに、お坊さんも引き上げ、
観光協会の人たちや警察も、テントをたたんで引き上げ始めていた。

●登山
車道を10分ほど歩いて登山口に。
ここには駐車場があり、結構車が止まっていたが、まだ数台余裕があった。
ここに止めれば良かったと思った。
この後は、田んぼや畑の中の道を行くが、1合目の駐車場に着く。
ここもまだスペースがあった。本来なら、ここまで車が入れるのである。
ここから山道になるので、トイレ休憩を取る。
山道とはいっても、自動車こそ通れないが幅広い道で快適。
リュックにぶら下げていた苗木がぶらぶら揺れて邪魔になるので、
ここからは手に持って歩き始める。
2合目からは傾斜がきつくなって、本格的な山道になるので、
苗木を持って手が塞がるのみイヤなので、
沢を渡る際に近くの木の根本に苗木の袋を置き、帰りに拾って帰ることにした。
ここまでは結構良いペースで歩いていたので、結構な人数を抜いてしまった。
グループやペアで参加している人が多いが、中には単独で参加している人もいる。
単独行の男性が多いのは理解出来るが、中年の女性も多いのにはビックリした。
まあ、山開き行事で人も多いので、
この日は単独行でも気軽に参加出来るのかもしれない。

各合目毎に標識があるので、コースタイムをチェックする。
山道になってからは、決してペースを落としてるわけでは無いが、
余り人に追いつくことはなく、抜かす人もそれほどは出なかった。
後に人の気配がすると思って振り返ると、若い女性の単独行だった。
後に付かれるのは好きでないので先に行ってもらったが。
結構良いペースで登っていたので、その人のペースを参考に登ってみたが、
その人は他の登山客も上手くドンドン抜いていったので、
だんだん自分とは差が付いてしまった。
自分の場合には、前の人が余りタイミング良く道を譲ってくれない。
なぜだろうか?その人は後からプレッシャーをかけるのが上手い?

5合目は広場になっていて、避難小屋と粟薬師の奥の院がある。
もらった御札は、ここの御札なのだろうか?
ここまで1〜2分程度の休憩しか取っていないので、ここで小休止。
例の若い女性は、ここでも休まずに先に行ってしまったので、
この先は視野からは抜け、9合目の先ですれ違った時に見かけただけであった。
それにしても若い人は元気である。

そこからしばらく上がると稜線に上がり、標高628mの独標点にでる。
谷を隔てて加茂市から登る中央コース登山道の稜線が見え、
7合目に位置する避難小屋の粟ヶ岳ヒュッテが小さく見える。
8合目の牛の背は、狭い稜線で雪がまだ残っていた。
残雪の稜線を歩くが、誤って滑るとそのまま下まで落ちてしまいそうなので、
怖かった。特に下山者とのすれ違いの時に。
雪渓のところは風除けになっていて、
シートを広げてお弁当を食べている人が多かった。
どうやら、皆さん山頂までは登った後で、
風が強くてここまで下りて食事にしているようだ。
私は9合目(南峰)まで来たところで、お腹が空いて急登が出来なくなったので、
立ちながらおにぎりを食べて腹ごしらえ。

●粟ヶ岳山頂
山頂では、風が強くてとても寒かった。
二等三角点があり、そこで記念撮影。
また、金属で出来た山岳同定版があり、越後の山や飯豊の山が載っている。
しかし、ガスが出てしまい、余り遠望が効かない。
南の方は、守門岳や浅草岳が多くの残雪を被って美しい山容を見せている。
北側の方は、雪を被った飯豊山塊が、手前に二王子山や五頭山地を従えて、
その美しい姿を見せているが、直ぐに吹雪いて見えなくなってしまう。
その手前の阿賀野川の谷の奥には、御神楽岳などの山容が見える。
シャッターチャンスを待つために、寒い中30分ほど粘ってしまった。
飯豊山地は吹雪いていたみたいで、なかなか姿を現さないが、
ほんの一瞬だけ、その美しい姿を見ることが出来た。
(写真は撮ってみたが、現像してみたら飯豊山塊の姿までは上手く写せなかった)
なお、この日は飯豊は凄い天気だったみたいで、
後日新聞で知ったが、遭難者が出た模様だ。

●下山
下山は同じ道を下りたが、ビリ近くを歩いていたみたいで、
すれ違いで登ってくる人は、ほんの数人しかいなかった。
山頂に長くいたのも、原因かもしれない。
雪渓のところにも、もう人はいなかった。
ガスが出てきて、加茂市からの中央コースの稜線や山頂も見えなくなってきた。
下山時は、水場と5合目の粟薬師のところで休憩を取ったのみ。
粟薬師のところでは、数パーティ休んでいる人がいた。
その後はひたすら下山し、2合目で苗木を拾い、1合目に出た。
後は気楽に畑道や車道を歩き、「いい湯らてい」に向かった。
小学生くらいの子供達が外で遊んでいるが、
自分の姿を見かけると、みんな「こんにちは」と挨拶してくれる。
本当に田舎の子供達は、純真で良い子達である。

●日帰り入浴施設「いい湯らてい」
駐車場に止めてあった車で荷をほどき、びっしょりになった服は着替えて、
八木ヶ鼻温泉「いい湯らてい」で一風呂浴び、山行の疲れを癒した。
ここは比較的最近オープンした日帰り入浴施設で、かなり人気がある。
下山してきたのが遅かったので、山登りの客は余りいなかったが、
GW中ということもあり、家族連れなどでかなり混み合っていた。

泉質:ナトリウム・カルシウム硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、うちみ、慢性消化器病、
   冷え症、痔疾、疲労回復、動脈硬化症、きりきず、慢性皮膚症
飲用:慢性胆嚢炎、胆石症、慢性便秘、肥満症、糖尿病、痛風
浴室 【数奇の湯】
 ジェット、バイブラ、うたせ湯、サウナ、マグマ風呂、露天風呂、他
  【和楽の湯】
 ジェット、バイブラ、うたせ湯、スチームサウナ、水中風呂、露天風呂、他
  ※偶数日、奇数日で交代
日帰り入浴料:750円。(ただし自分は割引券をもらっていたのでこの料金)
営業時間;午前10時〜午後10時。

http://www.iiyuratei.com/
http://www2b.biglobe.ne.jp/~kondo/onsen/kaetsu/k8/k8-3.htm

ジャグジーのある「数奇の湯」と温泉のナイヤガラのある「和楽の湯」があり、
男女交代となっている。この日は男湯が数奇の湯であった。
露天風呂もあり、ここからは新潟景勝100選の八木ヶ鼻の岸壁を、
正面に眺めながら風呂に浸かることが出来る。
なかなか贅沢な気分にさせてくれる。
個人的には、粟ヶ岳の雄姿を正面に眺めながら露天風呂に入れたら、
より最高なのになと思った(粟ヶ岳は反対方向)。
その一方で、八木ヶ鼻の岸壁に登ったら、露天風呂が丸見えなのかなとも思った。
(ちなみに、八木ヶ鼻の岸壁の上に登る一般ルートはあるみたいです)

食事処も充実していたし、広くて快適な休憩室もあり、大変素晴らしい。
今回は単独だったし、かなり混み合っていたし、夜は自家でとる予定だったので、
余り長居はせずに、直ぐに帰ることにした。
敷地内には、全天候型の運動場やマシントレーニングルームもある。
また、子供が遊ぶような遊具施設も充実している。
今度は家族で来てみたいなと思わせる、入浴施設であった。

近くには、他に越後長野温泉があり、ここの一件宿である「嵐渓荘」は、
日本秘湯の会の宿で、料理の美味しい風情のある宿として人気があります。
可能ならばここのお風呂に入ってみたかったのですが、
この時間帯だと日帰り入浴は残念ながら終わっていました。
http://www.rankei.com/indexpc.html
http://www.mountaintrad.co.jp/niigata/ecgn/rankei/data.html

また帰る途中に、八木茶屋という店があり「山塩ラーメン」という看板があり、
何となく興味を引かれた。残念ながら食べていないが。
http://www.rankei.com/yamajio.htm

午後6時くらいには、妻の実家に戻った。

●まとめ
標高差1200mの日帰りピストンで、現時点で今年最もハードな山行であった。
今回は天気に恵まれなかったのは残念だったが、
粟ヶ岳自体は大変素晴らしい山で、コースや時期を変えてまた登ってみたい。
今度は、加茂市からのコースをヒメサユリの時期である5月か、
紅葉の時期にでも登ってみたいものである。
(GWかお盆の時しか、見附にはなかなか帰れないが)